カフェのようにお洒落に暮らす
現在、街の至るところで目にするカフェ。その語源は、フランス語やイタリア語の同じ発音として、本来は”コーヒー”を意味します。つまり、コーヒーなどのお茶類が飲める飲食店を意味し、日本では喫茶店として人々の生活に親しまれてきました。絵画や小説のモチーフになるのは特にパリのカフェが有名ですが、史上初めてのカフェが登場したのは実はイスタンブール。イスラム圏ではヨーロッパよりも前からカフェでお茶をする文化があったようです。ゆったりと新聞や本が読めるだけでなく、その時代の話題について情報交換ができる空間として、いつの世も愛されてきました。そして近年、「自宅でもカフェの雰囲気に包まれて過ごしたい」という人が増えてきました。思い思いに好きなことをしながら、ずっとそこにいたくなるような、家族と程よい距離を保てる”カフェの雰囲気”を、さりげなくインテリアに取り入れてみませんか。
「カフェ風インテリアに見る新ライフスタイル」
2000年行こうに注目された北欧インテリアブームは、「ナチュラルに暮らす」「木のぬくもりに帰る」などのコンセプトで人々の心に響き、「北欧インテリア」を日本に浸透させました。そこへ、それまでに人気が高かった「スタイリッシュ」「アーバン」な志向に新たな傾向である「カフェ風インテリア」が追加されたのです。そのきっかけは、「リビングとしてのキッチン」という考え方。おもてなしスタイルが注目されるようになってからは、家族だけで暮らす住まい作りから人を招くことや、「他人と楽しむ」ためでもあるインテリアへと変化しているのです。住まいを他人にもシェアしようとする価値観が広まり、カフェ風なスタイルが求められたのです。リビングとキッチンがつながる開放的な空間、そして中庭やバルコニーをも取り込み楽しみます。これからの住まいでは、家族で過ごす場所として、そして、「友人や親族を招いていかに楽しく過ごすか」をイメージし、さらに各々の心地よさをも追求していきたいものです。
「うちカフェを楽しむセルフコーデのすすめ」
近年にみる「古いものを大切にする価値観」の高まりで、ヨーロッパ人にとっては昔から当たり前とされている、手作りのライフスタイルが注目されています。より永く使える家具を取り入れたり、手持ちの家具をリフォームするなど、ひと手間かける「セルフコーディネイト」で暮らしを楽しむようになりました。自宅にいる時間をより心地よくするため、DIYやディスプレイに力を入れることは、今や”うちカフェ”という名詞ができるほど暮らしの一部になっています。次のような工夫をして楽しみたいですね。
- ディスプレイすることを前提に家具や雑貨を選んでみる
- 生活感のあるものも、お店のように並べて収納する
- グリーンや水槽など、癒しやアクセントになるものを置く
- 目的とは異なる意外な使い方をして話題にする
- ファブリック類を使って簡単に模様替えできるようにする
カフェのようにお洒落に暮らす
「カフェのような雰囲気の中で、お洒落に暮らしたい」という声が増えていますが、ただ単に「お気に入りのお店のインテリアを真似するだけ」というわけにはいきません。ここで、「カフェのような家」とはどんな暮らし方なのかを考えてみることにしましょう。
- 美味しいお茶が飲める落ち着く空間である
- 読書や勉強がはかどる家具類があること
- 明るい雰囲気で会話が弾む空間である
- 心地よい音楽とのんびりした時が流れている
まずはこれらの条件を満たしたいところですが、実際にはそこで「生活」をしなければならないので、「家」としての機能を基本に考えなければなりません。一気に家全体をカフェそっくりにするのは難易度が高いので、部屋ごとに考えるようにしましょう。初めは、家族が集まりやすいリビング・ダイニングをカフェの舞台としてプランやインテリアを考えていけばイメージも膨らみやすく、取り掛かりやすいでしょう。自分の気に入った空間を作ることで、人はリフレッシュできるものです。また友達を招きやすくなり、新たな友好活動だけでなく趣味も増えるという相乗効果が期待できます。生活の一角をカフェとして機能させてみませんか?
「うちカフェ」風にコーディネートする、いろいろスタイル
カフェスタイルで我が家を楽しむためには、まず初めにコンセプトやテイストそ決めましょう。今では様々なスタイルが楽しまれていますので、インテリア雑誌やインターネットで自分の好みのイメージを集めることをオススメします。そうすればイメージが明確になり、自分流のこだわりでコーディネートすると、住まいに対する愛着はさらに増すことでしょう。空間をシェアしてパブリック性を持たせれば、お客様を招く楽しみも増します。
リゾート気分をさりげなく。ほんのりオリエンタルカフェ
南国風カフェを楽しむためには、比較的大きな観葉植物をポイントに置くと、リゾートの雰囲気を演出できます。さらに南国の花を用いたり、BGM次第では、今人気のハワイアンスタイルも楽しめます。ハーブ系の香りを漂わせると、癒しの空間に。
- 大きめの観葉植物を飾る(熱帯系)
- ファブリック(布)を多様に活用(タペストリーやシルクのクッション、刺繍のものなど)
- 籐のチェアなどをポイントに置くとリゾート風に
- レモングラスやハーブ系のエッセンシャルオイルで部屋中に癒しの香りを漂わせると効果的
- シーリングファンを設置するとより南国風に
カフェの王道をゆく
ビストロ風フレンチカフェ
カフェといえば、パリに代表するフレンチスタイルも外せません。
パリのカフェやビストロ(食堂)は会話を楽しむ人々で、常に賑わっています。そのお手本となるのは、食器や調味料のディスプレイの仕方です。パリの人々は飾るのが大好き。お気に入りの食器やアートを取り入れて飾れば、我が家のキッチンがまるでビストロに早変わり。黒板やペイントを活用して演出すれば、家族をお客様としてもてなすことも楽しめます。今日の献立を書いてシェフ気分に。
- 白いお皿で統一すればパリ流のテーブルに
- テーブルクロスは赤のギンガムチェックで
- BGMはボサノヴァかジャズでパリカフェを再現
- カフェオレボウルやフランス製鍋を用意
- パン用&カトラリーバスケットをテーブルへ
クロワッサンとコンフィチュール(ジャム)も添えて
ほっこりした時間を大切にできる、和カフェ
「和」のスタイルは今や世界が注目する、くつろぎの空間です。キッチンと横並びになるようにダイニングテーブルやカウンターを設け、あえて段差をつけた畳の空間を設ければ、おうち和カフェのできあがり。家族はもとより、近所の人々や友人も気軽に座っておしゃべりが弾む、ほっこりとした和みの空間になります。
和室を利用してくつろぎ感をプラス
- 和の食器をポイントにプレートでおもてなし
- モダン柄の座布団やスリッパで和モダンに
- 和紙を使った照明などをアクセントに活用
- 土間と組み合わせれば本格的な和カフェに
パパ友や息子と、趣味の会話を楽しむガレージカフェ
殺風景になりがちなガレージこそ、パパや息子のプライベートカフェをつくる格好のスペースです。カウンター&チェアを用意しておけば、車やバイク、自転車など、アウトドアの趣味を分かち合える友人との触れ合いの場所に。空気がこもりがちなので、換気をこまめにするようにしましょう。
うちカフェをコーディネートするのに必要なカラーバランス
配色は重要なポイント
床や天井、壁などはもちろん、家具やファブリックまでをトータルに考えて色の配分をバランスよく計画しましょう。小さめの家具やカーテンの色はその部屋の印象を決め、クッションなどの小さめの小物や雑貨はその部屋に変化を与えて、モノや色を引き立てる効果をもたらします。左の効果もふまえて、自分たちが作りたい空間を考えるのが”うちカフェ”作りのポイントです。
ワンポイントの脇役がカフェ風のイメージを作る
全体を模様替えしなくとも、ポイントさえおさえると、「カフェ風インテリア」の雰囲気が楽しめるものです。ここではカフェ風に演出できるいくつかのイメージ作りをご紹介します。
本や写真集をディスプレイ
ちょっとした場所を利用して、雑誌や写真集を飾っておくだけで、お洒落アートな雰囲気を楽しめます。
ブレンダーをさりげなく
カウンターキッチンがあれば、ジュースを作るブレンダーやコーヒーメーカーをわざと見える場所においてカフェのキッチンを演出。
お花やハーブを忘れずに
小さなコップやガラス瓶でいいので、生の植物や花を飾ることをこころがけましょう。毎日フレッシュな気分に浸れます。