節約を楽しむエコロジーライフ
昔の一家庭では、一日のはじまりに、窓を開けて空気を入れ替えることで“自然換気”を行い、部内の埃を“ほうきでお掃除する”というプロセスを、あたりまえのように行ってきました。何でも家電アイテムに頼ってしまう昨今では、“ほうきを使う”ことさえ、初歩的なエコ活動のように思えてくるから不思議です。節約を楽しみたい、もっと地球にいいことをしたい、との想いが人々に芽生えてきた今、「こんな場合、昔の人はどうやっていたかな」と原点に戻ることを楽しんでみましょう。たとえば「加湿器」がなくても、部屋じゅうに洗濯物を干したり、浴槽にお水をはっておくだけでも、立派な「加湿」作用があると考えれば、お洗濯が楽しくなるはず。もっともっと、エコで家族の暮らしのためになること、一緒に考えていきましょう。
光をインテリアの一部に
家を建てる時点で省エネルギーを考えるなら窓をできるだけ大きくとり、惜しみなく自然光を取り入れてみてはいかがでしょう。たっぷりと日光が降り注ぐと日中時間の照明が不要になり、更に暖かさも保つので冬場の暖房費も節約できます。更に窓が大きいと、開けた際に気持ちよい風が部屋全体に通り、自然換気も容易に行えることがメリット。西向きの家や、夏場などは日光が入りすぎると逆に熱がこもってしまうので、シェードやブラインド、屋外側にオーニングを設置するのも効果的です。窓がお庭に面していれば、テラスドアとして活躍させると便利。リビングからデッキへ出入りできるようになっていれば、ガーデニングをしたり、グリーンを見ながらお茶の時間を楽しめます。
毎日の暮らしに緑を
インテリア雑貨を飾るようにして、室内にすこしでも観葉植物を取り入れてみませんか?みなぎる生命力に癒されるだけでなく、室内の空気を清浄化してくれる役割もしてくれる優れものなのです。室内には、あらゆる有害物質が浮遊しています。ホコリ(ハウスダスト)・煙・花粉・カビなどの胞子・ダニの死骸や卵・細菌やバクテリア・ペットの毛・揮発性化学物質(二酸化炭素・一酸化炭素・水素・メタン)など。観葉植物はそれらの室内汚染の原因となるものをうまく調和し除去し、「揮発性化学物質の除去」「蒸散作用」をするのです。さらに、空気が乾燥した空間では蒸散量を増やし、湿度が高ければ抑えるといった働きもしてくれる、かしこい存在。つまり観葉植物には空気浄化作用があるので、空気清浄機を置くかわりのような役目が期待できるかもしれません。最近では、マイナスイオンを発生させる種類(たとえばサンセベリアなど)も出回っているようです。
温度と湿度を管理してエコ生活
快適な室内環境をつくるには、温度と湿度のコントロールをすることがとても重要になってきます。日本においての快適な室内環境とは夏なら23度(湿度70%)~27度(50%)、冬なら18度65%~25度45%くらいだと言われています。温湿度計など、温度と湿度が確実に判断できるもので常に把握して、空調を賢く使用すれば、心地よさだけでなく美容や体調の管理も一石二鳥となります。また、無駄な空調を使わないことで、効果的な節電にもつながります。特に冬場においては、湿度を誤るとインフルエンザや肌トラブル、カビや結露など健康にも害を及ぼしかねません。できれば一年を通して60%前後を保てるよう心がけるようにしましょう。
エコな方法で空氣をきれいに
空気をきれいにする方法は、家電アイテムだけとは限りません。電気を使わずに、エコな方法で室内を快適にする方法は意外とたくさんあるので、ここでいくつかご紹介させていただきます。
空気を使わずに湿度調整&空気清浄
スイッチひとつで室内を快適にする加湿器や空気清浄機などの家電アイテムが根強く人気ではありますが、やはり電気代も気になるもの。最近では、電気を使わない“自然気化式加湿器”や、優れたフィルターのみで空気をきれいにする“清浄機”など、様々なエコアイテムも登場しています。竹や備長炭などを雑貨で取り入れるのはもちろん、最近では、空気清浄機が必要ないと言われる、自然素材の建築資材なども注目を浴びています。
きれいな空気を生む「光触媒のグリーン」が人気
植物の葉緑素が光のエネルギーを使って二酸化炭素を酸素に変えるように、太陽の光や紫外線のエネルギーを使って、種々の有機物や臭いを分解する“光触媒作用”。これを利用した人工観葉植物は、ただ室内に置くだけで、高い消臭・抗菌・防汚の作用があるだけでなく、ホルムアルデヒドを分解する優れた機能のものまで出回っています。たばこやペットなどの気になる臭いにはもちろん、トイレなどの空間にもおすすめするインテリアアイテムです。
屋上緑化や壁面緑化で地球にやさしく
地球上に緑を増やすという意味と、住宅の温度の上昇を抑えるという意味でも、“屋上緑化”や“壁面緑化”が注目されています。実際に屋上でガーデニングを実施されているご家庭では、「最上階の部屋が涼しくなった」という声があります。さらには具体的に、下記のようなメリットがあげられます。
●最上階への焼け込み防止や照り返し防止
●雨水の流出緩和や大気の浄化
最も効果が見られるのは熱的効果で、夏の未緑化地の温度に対し、緑化の部分は半分前後で安定します。このことは、土壌の断熱効果や、土壌に含まれる水の蒸発により熱が奪われたり、植物の蒸散作用、緑陰による効果が相乗的に働いた結果であり、自然がもたらす効果なのです。壁面緑化は、高温多湿の日本では壁面に直接緑化するのではなく、朝顔など蔓のあるもので壁面との距離をもたせるのがいいそうです。庭が確保できないご家庭でも、上で少しでもガーデンを楽しめば、地球にも住宅にもやさしくなれます。
人にやさしい建築素材を
現代の高気密住宅は、ニオイや化学物質、湿気などがこもりがちです。そこで、天然の材料を使った建築資材が注目されています。たとえば、化学物質の吸着や調湿効果などシラスの持つ特殊な力を十分に引き出す100%自然素材のシラス壁をはじめ、断熱効果、調湿効果、空気清浄効果がえられる“無垢材”などに注目が集まっています。たとえば、無垢材の化粧梁で天井を演出したり、化粧の無垢板を使用した腰壁を作るなど、今お住まいの家に自然素材をプラスするだけでも、空気を快適にする、いいきっかけになるかもしれませんね。
目にやさしいエコ・ライティング
家中の電球を数えると、思ったより量があることが分かります。こまめにスイッチを切るのが節電対策のひとつですが、例えばその電球をLEDに変えてみるだけで、かなりの節電効果が得られるといわれています。
● LED電球の最大の特徴は、“省エネ効果”です。一般家庭内の消費電力のうち照明の占める割合は約16%といわれており、照明器具の中で最も電力を消費しないといわれているLED電球に替えるだけで、大きな省エネ効果が見込めます。
● 例えばLED電球は、従来の一般的な白熱電球の40倍の寿命といわれ、1日10時間の消費で約10年は長持ちするといわれているため、取り替えの手間も省けます。つまり、この差は電気代にも表れ、約5分の1の費用の差が出るといわれています。
白熱電球は円筒形の構造であるため、光はどの方向にも広がっていきます。それに対して、LEDはその物理的な構造から、広い範囲を照らすことはできないため、これまでは間接照明がメインとなっていました。しかし各メーカーが技術を磨いた結果、現在は広く照らせるよう“光を広げるレンズ付き”のLED電球も出回っています。
【LED電球の場合】間接照明がメイン
【白熱電球の場合】広い範囲で照らせる