【フラット35ってどんな住宅ローン?】フラット35の基礎知識について解説
マイホームを購入するにあたって、ほとんどの人が住宅ローンを利用します。
その住宅ローンにもいろいろな種類がありますが、長期固定金利で借り入れできるフラット35が気になっているという人も多いのではないでしょうか。
「金利が変わらない住宅ローン」となんとなくイメージできていると思いますが、一般的な住宅ローンと比較すると金利以外にも特徴がありますので、利用を検討するときはメリット・デメリットについて理解しておきたいものです。
そこで今回はフラット35の特徴について紹介します。
フラット35はどんな住宅ローン?
「フラット35」は、政府系の金融機関である住宅金融支援機構と民間の銀行等が提携してサービスを提供する住宅ローンの一種です。
一般的な住宅ローンとの大きな違いは、「長期固定金利」であるということです。
民間銀行などが扱っている変動金利型の住宅ローンは、経済情勢の変動によって借入期間中に金利も変動するという特徴があります。
一方フラット35なら将来的に金利情勢が高騰しても、完済まで契約当初の金利が適用されるというのが最大の特徴です。
フラット35はどこで申し込みできる?
先ほど説明した通り、フラット35は住宅金融支援機構という政府系の金融機関から融資を受ける住宅ローンですが、ローンの申し込みは地方銀行や信用金庫、ネットバンクのほか、フラット35を専門的に扱う民間店舗(モーゲージバンク)などで受け付けています。
沖縄県内でフラット35を扱っている主な金融機関 |
フラット35のメリット・デメリット
住宅ローン利用者の約11%の人がフラット35を使っているそうですが、どのような利用メリットがあるのでしょうか。
【メリット①】固定金利なので返済計画が立てやすい
フラット35最大の特徴は、借入期間中の金利変動がないという点にあります。
変動金利型住宅ローンのように適用金利が高騰するということがないので、返済プランが立てやすいというのが一番のメリットではなでしょうか。
【メリット②】繰上返済の手数料がかからない
住宅ローン返済中にまとまった現金が入った際、金利負担を減らすために繰り上げ返済を行うということがあります。
ただし一般的な住宅ローンだと繰り上げ返済時に手数料がかかりますので、一定額を超えなければ繰り上げ返済のメリットが損なわれてしまうことがあります。
一方でフラット35は繰り上げ返済手数料が無料なので、いつでも何回でも自由に繰り上げ返済をすることができますので、金利負担の削減につなげることができます。
【メリット③】審査基準で勤続年数は見られない
一般的な住宅ローンだと、借入審査の際に本人の属性(職業、年収、勤続年数など)も審査されいます。そのため転職直後や個人事業の場合は審査が通らない場合があります。
フラット35なら勤続年数の条件がないので、民間銀行ではローンが通らなかった人でもチャンスがあります。
【メリット④】保証人も不要
また、一般的な住宅ローンは連帯保証人を付けることを融資条件とすることがありますが、フラット35なら保証人が不要です。
【メリット⑤】団体信用生命保険の加入が任意
フラット35は団体信用生命保険の加入が義務ではありません。
そのため病歴などの理由で他金融機関から審査の承認が得られない人でもフラット35なら融資が通る可能性があります。
【メリット⑥】その他、金利が安くなる制度がある
フラット35には、通常の「フラット35」のほか、一定の条件を満たす建物に対して「フラット35金利Aプラン」「フラット35金利Bプラン」など金利が安くなるプランが用意されています。
購入する住宅が長期優良住宅や省エネ適合住宅などに該当する場合は、さらにお得にフラット35を利用することができます。
フラット35のメリット |
フラット35のメリットについて紹介しましたが、一般の住宅ローンと比べたときのデメリットもあります。
【デメリット①】変動金利型よりも適用金利がやや高め
昨今は超低金利時代が続いており、変動金利型住宅ローンの適用金利は1.0%を下回ることが珍しくありません。
ネット銀行などにおいては0.4%台の住宅ローンが現れるなど、低金利時代の恩恵を受けている人も多く見られます。
フラット35については将来金利が高騰しないという安心感がある一方で、変動金利型ローンよりも適用金利がやや高めであるというデメリットがあります。
【デメリット②】絶対に金利が下がらない
先ほどフラット35は将来金利が上がることがないということについて説明しましたが、反対に「フラット35は金利が下がることがない」とも言い換えられます。
もしも今後数十年にわたって低金利時代が続いたり、今よりも更に金利相場が下がるようなことがあれば、相対的に損をしてしまうということも考えられます。
【デメリット③】金利特別プランを利用するために建築コストがアップする可能性がある
通常プランよりも金利が安くなる「金利Aプラン」「金利Bプラン」は、一般的な住宅よりも求められる条件が厳しくなっています。
特別プランを利用するためには建築コストが高くなってしまうということも考慮しなければなりません。
フラット35のデメリット |
フラット35はこんな人に向いている
フラット35のメリット・デメリットを踏まえて、どんな人がフラット35の利用に向いているのかについて考えてみましょう。
計画的な返済プランを立てたい人
フラット35は将来にわたって金利の変動がなく、決まった返済額がずっと続くというのが最大の特徴です。
そのため、借入期間中の返済プランを明確にしておきたいという人には適しています。
将来の子供の学費や、自身の転職・開業の予定があるなど、具体的なライフプランを立てている人は変動よりも長期固定金利をおすすめします。
勤続年数が短い人や、個人で事業を営む人
民間の金融機関が扱う住宅ローンでは、利用者の属性が厳しく審査されますが、フラット35なら審査基準が比較的やさしいので、銀行で断られた人でもフラット35なら審査通過することがあります。
健康状態に不安がある人
過去に何らかの病歴があるなど健康状態に不安のある人も、団体信用生命保険の加入が義務付けられていないフラット35がおすすめです。
定期的に繰り上げ返済をしたい人
借入期間中にボーナス支給などでまとまったお金が入ったときはこまめに繰り上げ返済したいという人も、手数料が無料のフラット35がおすすめです。
自分に合っているかどうかの判断が大切
住宅ローン利用者のうち、およそ10人に1人が利用しているフラット35ですが、メリットもあれば当然デメリットもあります。
フラット35の利用を検討するなら、その特徴をしっかりと理解した上で自分に合っているかどうかを判断することが大切です。